長男10歳余命9ヶ月

2012年5月

2012年5月 在宅療養

自宅でのコミュニケーションは本人のストレスがないよういろいろ工夫しました。
よく使うフレーズをまとめて表を作り、
その中からしたいことを選択させたものです。

あいうえお表

慣れてくると大体言いたいことがわかってきたので口の動きで意志を読む習慣がついたのですが、
それでもすんなり通じないことがあって、通じないときはあいうえおかき・・を順番に言って目的の文字に来たらまばたき・・・
それを繰り返しほぼ意思疎通はできました。

しかし言いたいことが長くなると、双方ストレスが溜まってあきらめることも度々ありました。

入院中からもっと多くのコミュニケーションを実現したいと思い、
5月にようやく意志伝達装置のデモ機を入れてもらったのですが、
操作が負担になるようで結局導入しないまま終わってしまいました

人を呼ぶ時は、わずかに動く左手近くに音の鳴るおもちゃを置き、
それを叩いて鳴らすことにしました。
小さい力でも音が良く響いたので役立ちましたが、我々が夜中寝てしまって呼んでる(鳴らしている)ことに気付かず、20分くらい左手を動かしシャンシャンならせたこともありました
本人の気持ちを考えると気の毒でたまりませんでした。

2012/5/1 意志伝達装置”視線入力”

堅太朗との意思疎通は簡単な言葉なら口の動きで読み取り可能ですが、
どうしても限界がありました。
何とかストレスを減らしてコミュケーションができるよう、
世界中の意思伝達装置を探しました。

友人から台湾で開発された意思伝達装置はどうかと提案がありました。
パソコンでマウスを動かし操作する同じ原理を、
目の動きとまばたき(アイクリック)で操作する装置です。
台湾人の同僚に協力してもらい、現地の人とコンタクトし日本の代理店を紹介してもらいました。

意志伝達装置Spring 視線入力設置の様子

この装置に日本語ソフトが加わって間もない理由もあって、
代理店が少なく、わざわざ相模原の業者が来ることになりました。
デモ機導入は最初の問い合わせから一ヶ月以上かかりました。

人を呼ぶだけでなく、見たいテレビやビデオ、インターネットなど、
助けなしでいろんなことが自分でできます。

視線入力パンフレット

ゲームもできるので始めは面白がってやっていましたが、
なかなか私達自信が使いこなすことができないのと、
本人の視力も万全でない理由で導入をあきらめました。

2012/5/2 いい写真が撮れました

今後のことを考えて障害者手帳を取っておこうと決めました。
先生に書類を書いてもらったのですが、
先が長くないのであまり意味がないようなニュアンスを感じました。

介護タクシーやETC割引も受けられるのは事実なので、
この日手帳だけでも作っておこうと役所の説明会に参加しました。

生涯の重度は1級から6級まであるのですが、
堅太朗は1級の超重度でした。

兄弟3人で

夜ごはんを食べ終わって写真を撮りました。
兄弟3人仲良く笑っています。

2012/5/5 鯉のぼり

例年であればこの時期事前に鯉のぼりを設置するのですが、
今年はそれどこころではなく、気付いたら5/5子供の日になってしまいました。

こいのぼり

これが最後になるかもしれないと思い、
直前にこいのぼりを設置し兄弟で記念撮影をしました。

2012/5/10 一級障害者認定

市役所へ行って手帳を受け取ってきました。
手帳と一緒に介護タクシーの割引券も受け取りました。
確か1割の割引だったと思います。
介護タクシーは子供病院まで行くと往復3万かかるので少しはありがたいと感じたものでした。

障害者手帳はETCが半額になったり、NHK受信料が免除されたり色々あるようですが、
どれも別途手続きが必要で、結局は使うことができませんでした。

手帳

堅太朗の気持ちを察し、障害者手帳のことは隠していたのですが、
病院へ行くときの高速料金割引でバレてしまったようで、
ショックな思いをさせたと、後で話を聞かされました。

2012/5/12 役に立たなかったアイクリック

意志伝達装置、デモ機の返却・・・

あれから何度か試したのですが、目が疲れるのと、
本人の視力にも問題があったため、
使用できず返却することにしました。

視線入力と言う装置

技研の人と話し、(まだ左手が少し動くこともあり)一番市場に出ている「伝の心」という意思伝達装置を勧められ、
そのデモ機を入れてもらうことにしました。

2012/5/20 食べ放題

先月、大阪USJホテルに泊まった時バイキングがとてもおいしかったようで、
地元の食べ放題に行きました。ここは肉以外は食べ放題なのですが、
ホテル程品ぞろいはなく、ちょっとがっかり・・・の様子。

西船のあさくまで

それでもいい思い出となりました。

2012/5/21 金環日食

この時期話題になった金環日食がこの日の朝でした。
小学二年の妹は学校でサングラスを作って、兄に見せていたので我が家でも話題になりました。

妹がサングラスを持って朝早く学校へ行き全学年で金環日食を見ている頃、
堅太朗はは家でママと一緒に見ていました。

実際に見た金環日食の写真

これは実際に本人が見た写真・・・。
肉眼でも見えたと喜んでいました。

2012/5/23 夢の実現

5/21、高校時代の友人から突然電話がありました。
「堅太朗、プロ野球のマリーンズ好きだったよね?選手に会わせてあげるよ!」
そう言って取引先の伝手をたどって選手に会う手配をしてくれました。
すぐにファンサービス担当の方から電話があり、話はとんとん拍子で決まっていきました。

ナイトゲームだったので、我々は16:00頃球場に到着。
初めて選手が止める専用門の駐車場から入門し、
みんなとても緊張していましたが、ファンサービス担当のMさんがすぐに出迎えに来てくれました。

その後球場内のホールに案内され、我々が待っていると、
マリーンズのキャラクター"マーくん"や"リーンちゃん"、
対戦相手ヤクルトのマスコットつばくろう、
マリーンズチアリーダー"Mスプラッシュ!!"など・・・続々と堅太朗に会いに来てくれました。

マスコットキャラクターと

Mスプラッシュやつばくろうと一緒につばくろうにはヤクルトユニフォームのレプリカももらい、
敵チームでありながら、気前のいい対応にとても感動しました。

しばらくすると練習を終えたマリーンズの選手数名がホールに入ってきました。
W選手ら顔なじみの選手何人かを目の当たりにすると堅太朗はとても喜んでいました。

しばらくして今江選手の登場・・・
記念品を持って来てくれました。

まず、ご自身がしていたペンダントを取外し、堅太朗の首にかけてくれました。
堅太朗はそれだけで大喜び!!

今江選手との対面

そして堅太朗は麻痺が少ない左手で懸命に色紙を持ってサインをアピール、
今江選手は堅太朗だけでなく、
一緒に連行して行った妹や友人にも快くサインをしてくださいました。

本当に偶然でしょうか?今江選手はこの日大活躍・・・
今江選手の活躍で試合は5-1でマリンズの勝利。
グライシンガー選手と一緒に今シーズン初めてのヒーローインタビューのお立ち台に立ちました。
今江選手は開幕から不振が続いていたので、この活躍は堅太朗の応援の力でないかと思わざるを得ませんでした。

ヒーローインタビュー

ヒーローインタビューの後、ファンサービスのMさんから私の携帯に電話がありました。
なんと今江選手が「再び堅太朗に会いたい」と・・・
正面ホールに行くように言われ、しばらく待っていると、
足にアイシングをしながら、今江選手がスタッフの方と歩いてきました。
そしてヒーローインタビューでもらったばかりのマスコットをスタッフから受け取ると、
堅太朗の目の前でそれにサインしプレゼントしてくれたのです。

マスコットのプレゼント

ただでさえいろんな人に会えて嬉しかったのに、
プレゼントも沢山いただいてしまいました。
本当にこの日は特別な一日になりました。

2012/5/24 ルーキーの藤岡選手

この日はロッテの試合でルーキーの藤岡選手が登板しました。
実は前日一緒に堅太朗と写真を撮って、
サインをいただき握手もしていただいたのです。

藤岡選手と

藤岡選手はこの日、大活躍し勝利投手になり、
堅太朗はとても喜んでいました。

2012/5/26 牛久大仏

この日おばあちゃんの旅行下見のため、家族一緒に茨城の牛久大仏へ行きました。
とても日差しが強く暑かったのを覚えています。

妻の弟夫婦も現地で合流して一緒に記念撮影。
本人は妹や従兄弟たちがはしゃいで動いているのを見ているだけであまり楽しくないようでした。

牛久大仏で

そこで妻は敷地内にあるスロープで車椅子のハンドルから手を離し、
一人でスロープを下りるスリルを体験させるゲームのようなものを始めました。

始めはとても怖がっていましたが、だんだん面白くなってきたようでとても喜んでいました。
保守的な私は自分で動けず、話すことができない息子なだけに、
何か大事故があったら大変だとハラハラしたものでした。

生涯最後の買い物(シャトーカミヤ)

生涯最後の買い物

その後、近くにあるシャトーカミヤというワイン醸造施設へ行き遅いランチをとりました。
そして、ランチの後いつもご飯をタッパーに入れて作って来てくれるMさんへ、
お土産を買いました。

ワインやチーズ、ソーセージ色々あったのですが、
Mさんが一番喜びそうだと思う地ビール詰め合わせを選び購入しました。

本人の意志で何かを買うというのはこれが最後で、
生涯最後の買い物だったと思います。

堅太朗が食べれるものは喉を通りやすいものだったので、
Mさんはそれを考えてペンネやチキンスープ、ボルシチなど・・・
毎日のように沢山作って持ってきてくれたので、
私たちの負担も軽減されて本当に助かったものでした。

2012/5/27 自宅でBBQ

夫婦共通の友人を呼んでBBQを行いました。
沢山の人を呼んだのですが、皆さん本当に色々お土産を持って来てくださいました。
私の友達Tは堅太朗の好きなものを沢山お土産に持ってきてくれました。
中でもお手製の"イナズマイレブンの手作りオブジェ"(写真)はとても喜んでいたようでした。

イナズマイレブンお手製飾り

夫婦共通の友人家族以外にも堅太朗の幼稚園時代の先生、
練習を終えて来てくれた野球少年団のコーチや選手・・・・
いろんな人がお見舞いに来てくれて家の中は人でいっぱいでした。

BBQの様子

本当にいい思い出になりました。

2012/5/28 同級生が遊び

同級生が遊びに来ました。写真はWiiをやっているところ・・・
自分は遊べなくても、友達がやっているのを見ているだけでいいと言っていました。

Wiiをやっているところ

不憫な息子を見て、片手だけでできるWiiのゲームを探し、
リモコンを改造して遊ぶことを試みました。

私の改造したリモコンは大きなボタンを叩くと、
Wiiリモコンの①ボタンに連動するのですが、
リモコンの出来が悪かったのと、ボタン操作があまりにも一定でないため、
十分に遊べることができませんでした。

2012/5/30 運動会のお誘い

担任と同級生がお見舞いに来てくれました。

同級生のお見舞い

この頃学校では運動会の練習が本格的になっていました。
特に組体操は先生と生徒が一丸となって成功に向けて気合が入っていました。

みんな練習の成果を堅太朗に見せたいらしく、
遊びに来る度運動会に来てほしいと我々にも相談がありました。

しかし、ステロイドの副作用で顔が変わってしまい、
身体も動かない・・・言葉もしゃべれない・・・

この姿を大勢にさらけ出すことで、
行ったら辛い思いをさせるだけではないか?

私たちは行くべきかどうか迷い、結論を出せないままでした。

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